印刷の品質は「色」で決まる!

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―製版会社の“カラーマネジメント”って何をしているの?―

「印刷の仕上がりがインクジェットの色味と違う…」
お客様からそのようなご指摘をいただいたことはありませんか?

弊社製版会社では、この“色ブレ”を防ぐために日々さまざまな工夫をしています。
今回はその中でも要となる「カラーマネジメント」についてご紹介します。


■ カラーマネジメントとは?

一言でいえば、「色のズレを最小限に抑える技術」です。
デジタルデータで作られた色が、モニターでも、色校正でも、印刷物でも、できるだけ同じように見えるように調整を行う工程が、カラーマネジメントです。

なぜ必要なの?

印刷物は「用紙」「印刷機」「インク」など、使う環境や機材によって色の見え方が変わってしまいます。
そのまま印刷してしまうと、お客様のイメージ通りの仕上がりにならないことも、しばしばあります。

だからこそ、製版の段階で「色の管理」をしっかり行うことによって、印刷のクオリティを守っているのです。

■ 製版会社のカラーマネジメントの工夫

1. 印刷機とのマッチングを想定した色校正の出力

製版会社では、印刷会社が使用するオフセット印刷機オンデマンド機の特性に合わせて、インクジェットプリンタで色校正(プリモジェット)を出力しています。

  • 使用インクや網点再現を想定した調整
  • 実際の印刷用紙とできるだけ近い条件で出力
  • JapanColorなどの印刷標準に準拠

プリモジェットの色が本機の印刷と大きく違ってしまっては意味がありません。
そのため、印刷会社の印刷機の特性(プロファイル)を事前に把握・共有し、インクジェットで限りなく近い色を再現する工夫をしています。

2. カラープロファイルの活用

ICCプロファイルを用いて、RGB→CMYK変換時の色ズレを抑制

  • 印刷会社の出力環境に合わせて、デバイスリンクプロファイルを使用することも
  • 印刷会社がJapanColor認証を取得している場合は、その標準値に準拠

「刷ってみないとわからない」から、「インクジェットでここまで見える」に変わってきています。

3. モニターキャリブレーションの徹底

  • 専用測定器で定期的にモニターをキャリブレーション
  • EIZO ColorEdgeなど、印刷用途に最適なモニターを使用
  • モニターとプリモジェット、そして最終印刷物との色の一貫性を保つ

4. 印刷会社との連携体制の強化

製版会社と印刷会社の色基準が一致していなければ、せっかくのカラーマネジメントも無意味になります。

そのため、以下のような連携・標準化を行っています:

  • 印刷会社の出力条件(網点、ドットゲイン、刷版線数)を事前にヒアリング
  • 使用用紙とインクの種類を共有
  • 定期的なプリモジェットと本機刷りとの突合せによる“色合わせチェック”

■ カラーマネジメントは、信頼の要

たとえば食品や化粧品のカタログでは、「色味」が売上を左右することもあります。
「思ったより地味」「明るすぎて高級感がない」といった印象のズレが、ブランドイメージや購買行動に直結します。

製版会社は、ただデータを処理するだけではありません。
「お客様が見せたい世界を、色で表現する」
そのための細やかな調整が、カラーマネジメントなのです。


■ 最後に

「印刷は“再現”の技術です」
デザインされた“意図”を、ズレなくカタチにするのが私たち製版会社の仕事です。
その根幹を支えるのが、カラーマネジメントという目に見えない調整の力なのです。

高品質な印刷物を目指すなら、製版段階の色管理が鍵になります。
「印刷物の色で悩んでいる」「思った色が出ない」などのお悩みがあれば、是非私たちにご相談ください。

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