「AIに何をさせるか」が見えれば、
プリプレス現場に革命が起こります!

2022年ごろからChatGPTやGemini、Copilotなど多種多様な『生成AI』が登場し、ほんの数年で物凄い進化を遂げ、あらゆる分野に浸透しましたよね。
スマホなどを使用した場面ならば皆さん利用した事があるのではないでしょうか?
例えば出先で「ここから2Km以内で美味しい喫茶店探して!」なんて問いかけると瞬時に回答してくれます。
しかし、いざ仕事で使うとなると一気にハードルが上がってしまい、「どう使うの?」と最初の段階で迷ってしまいます。
私が取り組んでいるのは、
●「プリプレス工程で自動化できる事はどこか」
●「どういう仕組みを構築すればミスが減らせるか」
このように的を絞って、まずは質問形式でAIに問いかけて、実現できそうならこれらを具現化していきます。
自動化の可能性を探す

画像生成や動画生成、音楽生成などに目を奪われると「うちには関係ないや」と否定的になってしまい、活用しなければ宝の持ち腐れになります。
今回は簡単なところから「AI」を使った自動化の取り組みをご紹介します。
1.なぜプリプレスに自動化が必要?
印刷業界では「納期が短い!」「種類が多い!」「属人化しがち!」「ミスは許されない!」といった悩みが尽きません。
特にRIP作業は専門知識が必要なので、人に頼る部分が多いです。

RIPとは
RIP(Raster Image Processor)=アプリケーションやPDFなどのページ記述言語(PostScriptやPDF言語)を解析し、出力機器が描画できるビットマップデータ(ラスターデータ)に変換するプロセッサ です。
- 役割
- ベクターデータやフォント、画像データを分解し、印刷解像度に合わせてラスタライズ
- カラー分解(CMYKや特色の分版処理)
- スクリーン処理(AMスクリーン・FMスクリーンなど)
- トンボ・面付けなどの付加情報付与
- 位置づけ
- DTPデータとCTP/デジタル印刷機の間に介在し、正確な刷版や出力を保証する
- PDFワークフローの中核として、プリフライトチェックやカラーマネジメント機能も担う
- 重要性
RIPの精度や処理能力は、階調再現や色安定性、処理スピードに直結するため、印刷品質と納期に大きく影響する
言い換えると、RIPは印刷ワークフローの「頭脳」と「翻訳機」を兼ね備えた存在で、データの最終解釈を担う品質管理の要 です。
(RIP周辺は次回コラムで深掘り予定)
について-visual-selection-1.png)
2.EQUIOSの「テキスト外部連携」による自動化とは?
弊社ではSCREENのワークフローシステムRIP「EQUIOS」に搭載されているテキスト外部連携機能を使って自動化しています。
.csvや.txtなどのシンプルなファイルでジョブを一括制御できる、まさに“魔法の機能”です。
3.“毎日同じ作業”からの解放
これまで「人の手」で毎日やっていたジョブ登録、面付け指定、出力設定… 全部、自動化できます!
- 時間短縮
- ミス激減
- 作業の見える化も進みます。
4.属人化から脱却し、仕事の質を高める
自動化によって、「誰でも同じ品質で作業できる」環境が整います。
これにより、熟練者に頼らない体制が実現!
その分、スタッフは色調整や検版など“人にしかできない仕事”に集中できます。
自動化によって、「誰でも同じ品質で作業できる」環境が整います。
これにより、熟練者に頼らない体制が実現!
その分、スタッフは色調整や検版など“人にしかできない仕事”に集中できます。
5.当社の自動化運用例:Excelフォーマットでラクラク処理(ここでAI登場!)
当社では、AIを活用した独自のExcelフォーマットを使ってこの仕組みを運用中です。
具体的には
・Excelフォーマット作成
・Excelから.csv書き出しフォーマット作成
この2点をAIにベースとなるデータを作ってもらい、弊社の仕様に合ったフォーマットを完成させました。
ちなみにEQUIOSのマニュアルにも運用方法は掲載されていますが、無知な私にはどうにもうまく動作しませんでした。
そこで「ChatGPT」にどういう仕様にしたいか、プロンプトを試行錯誤しながらフォーマットを完成させ、今ではオンデマンド印刷はアルバイトスタッフに一任できるようになりました。
実際にChatGPTにどんなことを尋ねたか、一例をご紹介します。
ChatGPTへのプロンプト例
「印刷ジョブの管理用にExcelフォーマットを作りたいです。EQUIOSのテキスト外部連携で読み込めるCSVに変換可能な構成を提案してください。」
※一例ですのでこのテキストをコピペしても使用できません。ご自身の環境や運用に合わせて調整してください。
実際の運用フロー
1. 入稿指示書を確認しながらマニュアルに沿って必要な情報をExcelに入力
2. テキスト形式で保存
3. EQUIOSにドロップ!
これだけでオンデマンド用面付け済みPDFが自動生成されます。
※もちろん、印刷前のモニターチェックはお忘れなく!

6.まとめ:未来のプリプレスはこうなる
・繰り返し作業の自動化
・ミスの大幅削減
・スタッフの負担軽減
・より高度な工程へのシフト
「いつもの作業を、既存のルーティンで終わらせない。」
AIは特別なものではなく、現場の業務を少しずつ変えていける“想像を遥かに超える可能性を秘めた存在”です。
EQUIOSに限らず、InDesign、Illustrator、PhotoshopのJavaScript作成にもAIを活用して自動化する事により、簡単に効率化できて尚且つミスを大幅に軽減できるようになります。
弊社でもAIの活用は駆け出したばかりで、まだまだ試行錯誤を重ねながら少しずつ自動化を進めている段階ですが、その過程で得た気づきや工夫が会社の強みとして蓄積されています。
そして、自動化で生まれた時間や余力は、本来の業務=高品質な印刷・製版サービスにしっかり注ぎ込みます。

「高品質な印刷の仕上がり」「納期を安定させたい」そんなときは、ぜひ弊社にご相談ください。
私たちは印刷・製版の現場で培った経験をもとに、お客様の目的達成を全力でサポートします。
プロフィール
営業部 片岡
レタッチから始まりDTPに携わる事30年。
さまざまな経験を基にステークホルダーの皆様と共に目的達成を目指し、
「幸せを共に分かち合う」をモットーに頑張ります!