〜なぜ印刷物は4色だけでフルカラーに見えるのか?〜
1. はじめに:プロセスカラーってなに?
私たちが目にするチラシ、雑誌、ポスター。そのほとんどが「プロセスカラー」で印刷されています。プロセスカラーとは、限られた数のインクを使って無数の色を再現する印刷技術です。その仕組みとは、製版とは何でしょう?
2. プロセスカラーの基本、 CMYKとは?
プロセスカラーは「CMYK」と呼ばれる4色のインクを基に構成されています:
- C(Cyan):青緑
- M(Magenta):赤紫
- Y(Yellow):黄色
- K(Key/Black):黒
これらの色を細かい点(網点)で重ねていくことで、
写真のようなフルカラー表現が可能になります。
※関連コラム:色分解(作成中)


3. なぜ「K」はブラックなのか?
英語で「Black」は「B」ですが、RGB(光の三原色)と混同しないよう「K(Key)」を使います。印刷において**黒は画の輪郭を決める「キーとなる色」**であり、特に重要な役割を持っています。

4. プロセスカラーの仕組み ― 色の重ね刷り
CMYの3色だけでも黒っぽい色を作れますが、深みやシャープさに欠けます。そこでK(黒)を加えて補正することで、文字や細部が引き締まり、印刷のクオリティが向上します。これを「色分解 → 版分け → 重ね刷り」の製版で実現します。
5. プロセスカラーとスポットカラーの違い
比較項目 | プロセスカラー(CMYK | スポットカラー(特色) |
色数 | 基本4色 | 必要な数だけ |
表現力 | 写真・イラストに最適 | ロゴやブランド色に最適 |
コスト | 一般的に安い | 色数が増えると高価 |
スポットカラーは、特定の企業ロゴや金・銀などの特殊インクで使われることが多く、
印刷目的によって使い分けられます。
6. 実際の印刷工程における製版の役割
出力メディアや印刷機によって色の出方が変わります。弊社では、お客様ごとにカラーマネジメントをして製版していきます。この工程により元のデザインデータの色合いを忠実に再現することができるようになります。印刷会社では、製版データを受け取った後、4つの版(C版・M版・Y版・K版)に分版されたものでインクを重ねて印刷していきます。
※関連コラム:カラーマネジメント参照
7. まとめ:製版を理解しよう
印刷に関わる人だけでなく、デザイナーやマーケターも、プロセスカラーの理解は不可欠です。色の再現性やコスト、印刷物の品質を左右する製版の工程は、
「伝わるデザイン」「予算に応じた印刷」を考えるうえでとても役立ちますので、参考にしていただけましたら幸いです。
※関連コラム:製版会社の作業工程

プロフィール
営業部 大好
アナログ製版からデジタル製版までの経験を活かし、
お客様により良い提案をしています。