こんにちは
今回は製版会社だから分かる。
スクリーン角度とモアレの関係についてご紹介します。
印刷トラブルを未然に防ぐための基礎知識
1. スクリーン角度とは何か?
印刷では、色を網点(スクリーン)で表現します。この網点が規則正しく並ぶ角度のことを「スクリーン角度」と呼びます。
各色の網点に異なる角度を設定することで、色同士の干渉を避け、滑らかで自然な画像に仕上げる工夫です。
2. なぜスクリーン角度が必要なのか
CMYKの4色すべてを同じ角度で刷ってしまうと、網点が重なり合い、濃淡のパターンが目立ってしまいます。
これを防ぐため、色ごとに角度を変えて印刷する必要があります。
3. モアレとはどんな現象か
モアレとは、規則正しいパターンが重なり合うことで発生する干渉模様のことです。
印刷物で発生すると、波紋のような模様が目立ち、画像やデザインが汚く見える原因になります。

4. スクリーン角度とモアレの関係
スクリーン角度が適切でないと、網点が干渉してモアレが発生しやすくなります。特に、同じ角度や近すぎる角度の組み合わせは危険です。
これは製版時に注意深く設計されるポイントです。
5. 一般的なCMYKのスクリーン角度設定
以下が一般的な設定です
C(シアン) :15度
M(マゼンタ):75度
Y(イエロー):30度
K(ブラック):45度

これらの角度は視覚的な干渉を最小限にするために長年の経験で定められてきました。
6. デザインで注意すべきポイント
細かいパターンや線画、グレースケール画像にCMYK変換を行うと、モアレが出やすくなります。
写真やイラストの中にスキャンした印刷物を使うと、二重のスクリーンが干渉してモアレの原因になります。
7. モアレを防ぐための製版の工夫
画像の解像度を正しく設定する(通常は350dpi程度)
スクリーン角度を正確に管理する
グレースケール画像はK版1色で処理する
ラスタライズやデジタル補正を行う場合、モアレ軽減フィルターを使うこともある
8. まとめ:営業・デザイナーも知っておきたい基礎知識
スクリーン角度とモアレの関係は、一見製版や印刷の専門知識に思えるかもしれませんが、営業やデザイナーがこの仕組みを理解しているだけで、トラブル回避や提案の説得力が大きく向上します。
「なぜモアレが出たのか?」「どう防げるのか?」を説明できるだけで、お客様の信頼も得やすくなるはずです。
今回のコラムは、いかがでしたでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回のコラムもお楽しみに!!
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製版営業30年以上、アナログ時代、デジタル時代を経験している営業です。
お客様との信頼関係を第一に考え日々営業をしています。
最近の趣味は、YouTube 観賞、キャンプ
年を重ねると何故か自然が恋しくなるのは私だけでしょうか(笑)
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